7月28日、家扶(家庭与児童扶助基金会)本部(台中)を訪問させていただきました。家扶(ジャーフー)は、虐待を受けているこども、貧困家庭の子どもへの支援を行っている団体です。
その資金は200億円以上あるとされ、東日本大震災の際は、被災地のこども支援として、2億円弱の寄付をしてくださいました。
本部では、国際発展室の呉彦明主任(上写真)の氏にお迎えいただき、家扶故事館(家扶の歴史経緯を紹介)、児保体験館(子ども保護体験館)を参観させていただきました。故事館では、家扶基金会の70年以上の歴史や専門的な社会福祉サービスの発展を、展示しています。
訪問では國際室林于庭高級專員、國際室林筱昀專員の懇切な接遇を受けました。また下の体験館では専門員の方から詳しい説明をしていただきました。ま床にありがとうございました。
子ども保護体験館は、台湾初の子どもの権利・児童保護(三級予防)をテーマにした体験館で、子どもたちが自分の身を守る意識や児童福祉を楽しく学べる空間になっています。

この保護体験館で、印象に残っていることは2つで、1つ目は、権利教育をしっかり行っていることです。単に子どもを「保護される対象」とするだけでなく、「自ら意見を表明し、社会に参画する権利(表意権・社会参加権)」を持つ一人の人間として育てることを重視しています。
特徴として4点あげられます(4大権利、発言権、社会・学校とのかかわり、国際協力)。
以下、みてみましょう。
1. 子どもの権利条約(CRC)の4大権利の普及
家扶は、子ども自身や保護者、地域社会に対して、子どもの権利条約に定められた以下の「4つの基本精神」を分かりやすく伝える教育を行っています。
・生存権:医療や住居、適切な栄養を受け、命が守られる権利。
・発達権(育つ権利):教育を受け、遊び、能力を十分に伸ばして成長する権利。
・保護権:あらゆる暴力、虐待、労働搾取などから守られる権利。
・参加権(表意権):自由に意見を表明し、社会の事柄に参加する権利。
2. 「表意権(意見を表明する権利)」と公民意識の育成
家扶の権利教育における最大の特徴の一つが、子どもたちの「発言する力」や「公共コミュニティへの参加」を支援・教育することです。
子どもや若者が、自分たちに関わる公共の課題について意見を述べ、社会を動かす力を養うワークショップや講座を開いています。
・法治教育やメディアリテラシー教育(情報を正しく見極める力)を組み合わせることで、「権利を持つと同時に、責任や義務を果たす」ことのできる自立した市民(準公民)を育成しています。
3. 社会全体を巻き込む啓発活動と学校への講座提供
家扶は、子どもたちだけでなく、彼らを取り巻く大人や社会全体の意識を変えるための「社会教育」も権利教育の一環として位置づけています。
学校への出前講座:台湾国内の中学校や高校、大学などに向け、国際協力や子どもの権利条約、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマにした講演会を無償で提供しています。
クリエイティブを通じた啓発:子どもたちが「自分が持つ権利」をテーマに絵画を描くコンテストなどを開催し、作品展示を通じて一般市民にも子どもの人権について考える機会を作っています。
4. 国際支援先での権利教育の展開
家扶は台湾国内にとどまらず、モンゴル、キルギス、エスワティニ、ベトナム、カンボジア、ヨルダン、フィリピンといった海外拠点でも活動しています。経済的な貧困支援(学費や食費のサポート)とセットで現地の子どもたちへの権利教育を行うことで、子どもたちが自らの可能性を信じ、劣悪な労働環境や虐待から身を守る知恵を身につけられるよう取り組んでいます。
特に、2番目の表明権、法治、メディアリテラシー教育など、日本でも行っているところはまれではないでしょうか。
次回は、リーダー教育です。

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