埼玉県日台親善協会は7月28日、台湾新北市汐止区にある新北市立保長国民小学校を訪問しました。訪問の理由は、同校が「7つの習慣」(リーダーインミー)を取り入れ、こどもの「品格教育」を実施し、非常に高い評価を受けているからです。
(「7つの習慣」(リーダーインミー)については下の記事をご参照ください)
新北市の保長小学校(リーダー教育)を視察させていただきました。 – 埼玉県日台親善協会
以下、黄鈺華校長に教育の状況についてレクチャーしていただきました。
黄校長ありがとうございます。
(辺地にある学校)
保長小学校は大都市新北市の北の市境、辺地にあります。所在地は人口も多くなく、児童も多くありません。2023年度で106人、幼稚園を含め134人です。134人うち、ハンディキャップがある子どもは44人になります。原住民が3人、外国籍が15人、低収入家庭が4人、身心障がい者が5人、ひとり親家庭が12人、祖父母養育家庭が4人です。
(教師の異動、離職率は高い)
ここ3年の教師の「流動率」は40%です。辺地であるため、離職率が高いのです。教師の在任年数別割合(幼稚園を含む)は、1年が39%(7人)、2年が16%(3人)、3年が17%(3人)、5年が11%(2人)、10年以上が17%(3人)です。教頭先生は10年以上在任されており、7つの習慣教育のけん引役となられています。
(モットー)
教育のモットーは「信じることは力:自らを卑小視しない。人は無限の可能性を持つ」です。

(3つの循環構造)
教育を「観」(see)⇒「為」(do)⇒「得」(get)⇒「観」の3つの循環構造で理解しています(下写真)。

(思考)
「観」とは思考で、学校のビジョンを立て(※1)、品格教育(7つの習慣)に基づき、学生、クラス、教師、校務組織でそれぞれの使命宣言(※2)を立てて実施するということです(下写真)。
※1 ビジョンは、天賦(タレント)、自主(プロアクティブ)、服務(サービス)、傍様(ロールモデル)という用語で表されます。才能を尊重し、自主学習と他人への奉仕で、モデル校になるというものです。


※2 6年生の使命宣言は①努力し学習する、②良好な体格をつくる、③他人に奉仕する、④後輩のモデルになる、というものです(下写真)。

こども一人一人も使命宣言をします。下の写真は3年生のもの。

その核心思考は、すべての人がリーダーで、すべての人は天賦を有し、変化は自分から始め、教育とはこどもの主体的な学習を啓発する全人教育、というものです。

(ビジョンと使命の意義)
同じビジョンと使命を持ち、アイデンティティを自己変革の目標と原則に置くのであれば団結できる、としています(下写真)。

(行動)
「為」は行動で、執行力4規律(※1)に従い、リーダーシップノート(※2)、リーダシップ用法(思考ツールなど)を用い、学校の環境空間を整備し、コミュニティで実践し、リーダーの役割をそれぞれ担う、という内容になります(下写真)。
※1 ①最重要目標に焦点をあて、②先行指標に基づき、③スコアをつけ、④成功を称え、失敗を分析し、軌道修正する、という内容です。

学校環境空間の整備では、校門、校庭、壁、昇旗台などに、行動を奨励する文字絵などをデザインします。
コミュニティでは、モデル学生+モデル教師+モデル保護者が連携し、モデルコミュニティを創ります(下写真)。

リーダーの役割を担うでは、みなが学校、クラスなどにおいて何等かのリーダーを担当します(下写真)。
※2 リーダーシップノート(ブック)(LNB)には、自己紹介、目標と学習、7つの習慣の評価、リーダーの経歴、自己評価が記入されます(下写真)。

(成果)
リーダーシップの発揮、文化の創造、学力の向上が成果として挙げられています。

リーダーシップ教育の原則として、①教職員自ら、同士での実践、②多様な教学(直接式、組込式、個別式)、③家庭との連携、保護者の家庭での7つの習慣実践、が挙げられています。
(アジア公立校で初めてのモデル校)
アジア公立校で初めてのモデル校に選ばれています(下写真)

(3つの最重要目標:学校文化、リーダーシップ能力、学業(国語))
3つの最重要目標(WIGs)として、学校文化、リーダーシップ能力、学業(国語)の向上を挙げ、実現しています。

(新北市政府から優秀校、優秀教師として表彰)
新北市政府から優秀校、優秀教師として表彰されています(下写真)。


(コミュニティでの7つの習慣を実践)
保安里でも、7つの習慣をともに実践しています。こどもたちは、朝礼で環境保護を学び、それが地域にも波及しています。

(所感)
こども同士が相互に学び合い、そこには教師、学校、保護者、地域も関わり合うという考え、枠組みが重要だと考えました。形をつくっても、中が空虚では仕方がありません。そこを担保するのが、7つの習慣であり、4つの執行規律であり、方法として使命宣言、道具としてリーダーシップノート、思考ツールがあると理解できました。ハードの建付けは欠点を探すのは困難なくらいすばらしいです。
次回は、ソフト面についてみてみましょう。

コメントを残す